「郵便受けに投函」は正しい?「投函」の使い方は?

「郵便受けに投函する」「ポストへ投函する」など、郵便物の取扱いについて指す「投函」という言葉。
実は使い方がよく分からない、どんな意味なの?と感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで、ポスト専門店のカバポストが、いまさら聞けない「投函」の意味や正しい使い方などをご紹介します。
類語との違いや英語での表現も載せていますので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。

「投函」という言葉の意味

まずは「投函」の意味について見ていきましょう。
ウィクショナリー日本語版(2022/10/14時点)によれば、主だった意味は2つ。
1.指定された箱の中に用紙などを入れること。
2.手紙やはがきなどの郵便物を郵便ポストに入れること。

名詞としては「投函(とうかん)」です。
漢字の意味として、「投」は投げ入れる・「函」は箱を指します。
つまり「用意された箱に投げ入れること」を指す言葉となります。

「郵便受けに投函」は正しい?

先述したように「投函」は、指定された(用意された)箱に用紙などを投げ入れることを指す言葉なので、
「郵便受けに投函する」の場合、郵便受け=指定された(用意された)箱、投函する(箱に投げ入れる)と解釈できます。
ただし、「投函する/投函した」という言葉自体に、郵便物をポストに入れる/入れたという意味が含まれるため「郵便受けに投函する」というと二重の意味になってしまいます。

例えば、ポストに手紙を出すことを伝えたければ「手紙を投函します」だけで十分に伝わります。
また、ビジネスシーンで「書類を投函しておきました」と言えば、郵便ポストに発送すべき書類を入れておいたことが伝わりますよね。
「郵便受けに投函」などの表現は、投函場所をより明確に伝えたい場合に使用するのが望ましい使い方だと覚えておきましょう。

そのほか、「投函」という言葉は、投票用紙を投票箱に入れる、アンケート用紙を意見箱に入れるなどの場合でも使います。

【例文】「投函」を使う場合・使わない場合

「投函」を使う場合の例文
・明日投函する予定のはがきを記入する。
・明日の消印有効なので、今日のうちに投函しておこう。
・選挙があったので、投票用紙を投函した。
・投函したアンケート、読んでもらえたかな。

「投函」を使わない場合の例文
・郵便局の窓口に郵便物を出した。
→郵便局の窓口は箱ではないので、投函では意味が違います。
・配達員より、自宅に荷物が届いた。
→郵便受けに収まる大きさの荷物であれば「投函」でも間違いではありませんが、郵便受けに収まらない程度の大きな荷物の場合は「荷物が届いた」と表現する方がより伝わるでしょう。

「投函」「発送」「送付」の違い

「投函」によく似た言葉に「郵送」「発送」「送付」という言葉がありますね。
よく間違えられる言葉なので、これらの違いも見ていきましょう。

・郵送(ゆうそう)
郵便で手紙や物品などを送ることを指す言葉です。
「投函」がポストへ入れることに対し、「郵送」は郵便局窓口での発送の際にも使われます。
「郵送する」という言葉自体に郵便で送るという意味を含みます。

・発送(はっそう)
郵便物などを送ることを指す言葉で、一定の場所から送り出す場合の表現として使います。
漢字の意味として、「発」は出す、「送」はおくるを指します。
「投函」は郵便物を送り出す方法についての表現ですが、「発送」は郵便物などを手元から送り出すことそのものを表現しています。
例えば「その書類は昨日ポストに投函したので、発送完了しています。」といった具合です。

・送付(そうふ)
物品を送ることを指す言葉です。
郵便物に限らず品物やメールなどの場合にも使います。
箱に入れる「投函」に対し、「送付」は郵便や宅配など送りす際の表現として広く使われます。
例えば「その書類は明日、荷物と一緒に送付します。」といった具合です。

「投函」の対義語は「受函」

「投函」の対義語は「受函(じゅかん)」といい、手紙やはがきなどを受け取ることを指します。
玄関に設置している郵便受けポストのことを、郵便受函ともいいます。

「投函」は英語で何という?

英語では、郵便制度や郵便物そのものを指す「post」や手紙そのものを指す「mail」で表現します。
「手紙を投函する」を英語で表現すると、以下などになります。
post letters.
letter to the post.
mail a lette.

おわりに

投函は、指定された(用意された)箱に用紙などを投げ入れることを指す言葉です。
「郵便受けに投函」は間違っていませんが、二重の意味になりますので、シーンによって表現を変える必要があります。
また、受け取る場合は投函とは言いません。
投函のほか、発送・送付・郵送を上手く使い分けて、より伝わる表現を探してみてくださいね。

投稿者:kaneboi 投稿日:2022年10月14日